『ハルピン絵葉書』

解説

本アーカイブの原資料は,黒崎裕康氏が所蔵するハルビン関連コレクション(以下,「黒崎コレクション」と略)中の戦前期発行の絵葉書を基本として,そこに若干の日本大学文理学部所蔵戦前期ハルビン絵葉書を加えたものである。黒崎コレクションの絵葉書は,大半が日本製(一部ロシア製あり)で保存状態も良く,「コロタイプ」および「意匠画」の未使用のものからなっている。

「日本大学文理学部学術フロンティア推進事業『デジタルアーカイブ・インフラストラクチャの構築と高度利用』(研究代表:戸田誠之助日本大学文理学部教授)中国文書等資料班(研究班代表:加藤直人日本大学文理学部教授)」では,その研究の一環として,黒崎コレクション中の戦前期発行絵葉書から2990件をデジタル化し,重複している部分や未使用の部分を除いた1177件を,データベースとして登録してきた。

本アーカイブは,前述加藤班の松重充浩(日本大学文理学部教授),千葉正史(明治学院大学等非常勤講師),林幸司(日本大学文理学部非常勤講師)を中心に,前述フロンティア・基盤システム班〔研究代表:谷聖一(日本大学文理学部教授)〕の技術的サポートの下,上述データベースを,絵葉書が包含する諸情報(被写体情報,記載文字情報,切手等の貼附資料情報,等々)と戦前期および現在のハルビン市街地図情報をリンクさせつつビュアー上で検索・提示することを念頭に構築されたものである。この作業は,絵葉書上で直截的に明示された情報の単なる集積と検索効率の向上ということだけでなく,そのモチーフとなった都市「ハルビン」の様々な重層的かつ多元的な歴史的・地理的・観念的な実相を「発見」していく上での利便性を提供してする新たな資料空間構築作業の一階梯として位置付けられるものでもある。

また,本アーカイブ作成に際して,黒崎裕康氏からは,ご自身のコレクションのデジタル画像化とその学術利用をご快諾いただくと共に,黒崎氏ご自身のご労作である貴重な地図情報データもご提供いただいた。黒崎氏のご高配がなければ本アーカイブの構築はできなかった。記して心からの感謝の意を表したい。

なお、デジタル画像および検索画像内には、不適切な差別用語が使用されている場合があるが、当時の社会実情勢を示すものとして、そのまま表記している。ご利用の際は、この点、十分留意いただきたい。

凡例

(1) 検索方法

*簡易検索では,インデックスのすべての項目を横断して,フリーワード検索を行います。

*詳細検索では,インデックスの項目ごとに検索を行います。

  • 「画像所在地」「色彩」「対象カテゴリー」「台紙」による検索は,プルダウンから対象項目を選択してください。
  • 文字コードはunicodeを用いていますが,日本語常用漢字体に置き換えが可能な文字は,すべて置き換えています。現在,中国語(GB,BIG5)およびロシア語(キリル文字)による検索はできません。
  • 「シソーラス検索」機能は,現在一部を除いて準備中です。

(2) 検索結果の表示

*「検索結果ページ」に,検索条件に該当するドキュメントの一覧が表示されます。「表示切替」をクリックすると,各ドキュメントのサムネイル画像が表示されます。

*一覧から任意のドキュメントを選択すると,「コンテンツの詳細」が表示されます。上部には絵はがきのサムネイル画像が,下部には関連詳細データが表示されます。

*配置されている絵はがきのサムネイル画像をクリックすると,「画像詳細表示」画面になります。左上部の「次へ」「前へ」をクリックすることで,絵はがきの表面,裏面を選択してください。

*サムネイル画像のサイズは120 × 77ピクセル(jpg)です。画像詳細表示画面では,1024 × 651ピクセル(jpg)の画像が表示されます。なお,画像の大部分は,スキャナを用いて作成したオリジナル画像です。